保養Q&A

 Q: 保養の目的は?  

A: 放射能汚染地域から、汚染がより少ない地域へ少しでも長く離れることにより、体内の放射性物質を排出し、免疫力を高め、健康を取り戻せるようにすること。

 

Q: なぜ、必要か?

A: 放射能汚染地域で暮らす人々は、事故直後に降り注いだ大量の放射性物質の未知数の初期被曝に加え、3年もの間、地表からの外部被曝だけでなく、放射性物質が新たに降下し、汚染水が排出され続ける中、空気や水・食品に含まれる放射性物質を体内に取り入れることによる内部被曝にも日々さらされている。特に子どもたちは成長過程にあり、代謝が早い分、放射能による影響が強く、大人より健康へのリスクがはるかに高い。

 

Q: 放射能汚染地域とは?

A: 事故以前の一般公衆の被曝の線量限度は、1mSv/年である(医療被曝を含まない)。この数値は、1mSv/年までなら安全という意味ではなく、この数値に伴い健康被害を出ても原発利用で社会的に利益があるから社会的に容認するという意味である。(現在も、法改定されていない。この数値は、外部被曝と内部被曝を合わせたものである。) 国は、「帰還困難区域(50mSv/年以上)」「居住制限区域(2050mSv/年未満)」「避難指示解除準備区域(20mSv/年未満)」を元に再編を繰り返している。福島県だけでなく東北、関東にも1mSv/年以上の地域が広範囲にあり、多くの人々が避難の権利や保証もなく、法律の線量限度を超え、被曝を強要される生活を余儀なくさせられている。             ※早川由紀夫教授の放射能汚染地図をご覧ください。                                         

 

Q: 参加者はどこから?

A: 当会は、主に福島県の子どもたちとその親を対象に保養を行っている。参加者の住まいは、国の放射線汚染区域ではないが、福島市、郡山市、二本松市、川俣町、須賀川市、いわき市などの放射能の影響を大きく受けている地域である。

 

Q: 保養の効果は?

A:保養期間中は、福島原発事故による外部被曝と内部被曝による放射能の影響を受けないことにより、体内に蓄積された放射性物質の代謝を促進し、免疫力を回復することができる。これら保養による効果は、チェルノブイリ事故後のヨーロッパ(日本)での保養で、各国の科学者により臨床的に確かめられている。                                     実際に北海道に保養に来た子どもたちは、たくさん遊ぶことにより、とても元気になり、表情が明るくなる。また、普段、外遊びが自由にできない子どもたちにとって、心理的な抑圧がなく遊べることは精神衛生上にも大変よい。親は、子どもと心置きなく日常生活(食事や遊び等)を過ごせ、日々放射能と戦う過度なストレスから解放され、一時的にも精神的安定が得られている。                     ※保養に参加した親たちの福島での日々の思いは、「福島の親たちの思い」をご覧ください。